Project/Area Number |
05771971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 恵史 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40231013)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肝炎 / 接着分子 / ICAM-1 / サイトカイン / 肝細胞 |
Research Abstract |
肝炎発症の原因はウイルス、薬物をはじめとして様々なものが知られているが、肝炎の発生過程には宿主の免疫反応が重要な役割を果たしている。肝炎時には、TNFa、IL-1などの炎症性サイトカインが肝組織に発現し、T細胞の浸潤が認められる。肝障害は、肝組織内に浸潤した免疫細胞が肝実質細胞を障害することにより引き起こされる。そこで、エフェクターである免疫細胞と標的細胞である肝細胞間の接着を担う因子として、肝細胞に発現するICAM-1に着目し、その発現制御及び、発現機構、T細胞との相互作用を検討した。さらに、in vitroでの同系の免疫細胞による肝障害反応を検討した。 [方法及び結果] T細胞と肝実質細胞との接着におけるIL-1aやIFN-g、TNFa、IL-6等の炎症性サイトカインの影響を検討した。IL-1aやIFN-g、TNFaの濃度依存的にT細胞の接着性の増加が確認された。しかし、IL-6刺激ではT細胞の接着性の増加は認められなかった。肝炎におけるT細胞の浸潤現象において肝実質細胞上に発現するICAM-1が関与していることが示された。坑体阻害実験から、炎症反応に関わる接着分子であるLFA-1やICAM-1がその接着に深く関与していることが示された。さらに、IL-1aやlFN-g、TNFa刺激によって肝実質細胞でのICAM-1の発現が増加したことから、肝臓における炎症反応には肝実質細胞上の接着分子が関与していることが示唆された。また、タンパク合成阻害剤や転写阻害剤を用いた実験により、ICAM-1の発現増加はde novo合成によることが示された。さらに、同系の免疫細胞による肝障害の誘導を検討した。コンフルエントに撒いた肝実質細胞上に、種々のサイトカイン刺激した同系の脾臓細胞を加え、48時間37℃インキュベートした。肝障害の指標として上清中のGOTやGPT、LDHの活性を測定したところ、IFN-g刺激の脾臓細胞のみが肝障害能を有することが判明した。以上の結果、肝実質細胞に対する免疫細胞の作用よって、肝障害が誘発されることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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