Project/Area Number |
05771980
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
渡辺 志朗 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (00222406)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | alpha-リノレン酸 / リノール酸 / 食餌必須脂肪酸 / 腫瘍壊死因子 / マクロファージ / プロスタグランジンE2 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
高alpha-リノレン酸(18:3n-3)食をマウスに与えるほうが、高リノール酸(18:2n-6)食を与えるよりも、カゼイン誘導腹腔マクロファージ(Mphi)のリポポリサッカライド(LPS)刺激による腫瘍壊死因子(TNF)産生能が高かった。この機構におけるプロスタグランジンE2(PGE2)の役割を調べた。PGの産生阻害剤であるインドメタシンを添加してTNF産生能を比較したところ、両食餌群のMphiでのLPS刺激によるPGE2産生がほぼ完全に阻害され、両群間での差がなくなった。TNF産生は、両群においてインドメタシンの添加により有意に上昇したが、TNF産生量の差には影響しなかった。以上の結果から、高alpha-リノレン酸食群と高リノール酸食群間でみられたマウスMphiのTNF産生能の差は、PGE2産生量の差だけでは説明できないことがわかった。一方、カゼイン誘導Mphiのリソゾーム酵素である酸性フォスファターゼ活性を測定したところ、高alpha-リノレン酸食群で高リノール酸食群よりも有意に高かった。しかしながら、過酸化水素産生能、貪食能、一酸化窒素産生能、CD14抗原発現量には両群間で差は見られなかった。従って、高alpha-リノレン酸食によるMphiのTNF産生能の上昇には、このMphiにおける活性化/成熟化の亢進が関わっている可能性が示唆された。また、LPS刺激後2時間のカゼイン誘導腹腔MphiでのTNFmRNAを、Northern blot analysisにより比較したところ、両食餌群間で差はなかった。TNF遺伝子発現以降の段階が、食餌脂肪酸により影響されている可能性が示唆された。今後、定量的PCR法を用いてより詳細に検討する予定である。
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