Project/Area Number |
05772009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平田 龍吾 理化学研究所, 動物・細胞システム研究室, 研究員 (60260197)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酵母 / 液胞型ATPase / H^+-ATPase / 液胞 / 酸性化 / サブユニット |
Research Abstract |
液胞型H^+輸送性ATPase(V-ATPase)は、内腔の酸性度の異なる複数の細胞内小器官の酸性化に機能している。V-ATPaseの活性調節機構や細胞内局材化機構を明らかにする目的で、酵母液胞膜V-ATPaseのプロトン輸送に機能する17-kDaサブユニット(Vma3p)に相同的な分子(Vmallp、Ppalp)を解析して以下の結果を得た。 1.Vmallpの保存性グルタミン酸残基への変異導入-Vma3pには変異遺伝子の解析からプロトンの輸送に必須であることが示唆されているグルタミン酸残基が存在する。Vmallpの対応する残基をグルタミン、ロイシン、アスパラギン酸に置換した変異遺伝子を構築し、VMAll遺伝子破壊株に導入して解析した。変異遺伝子のうちアスパラギン酸への変異遺伝子はVMAll遺伝子破壊株の液胞内酸性化欠損と生育表現型を相補したが他の2つの変異を持つ遺伝子は相補能を失っていた。この結果は、Vma3pにおける変異導入の結果と類似している。 PPAl遺伝子破壊株の解析-Ppalpは、Vma3pと約36%のアミノ酸相同性を示すが、その機能に関しては全く明らかにされていなかった。そこで、PPAl遺伝子を単離し、PPAl遺伝子破壊株を構築して解析した。PPAl遺伝子破壊株は、液胞内酸性化欠損、カルシウム感受性、pH感受性などについて、液胞膜V-ATPaseのサブユニット遺伝子の欠失変異株と同じ表現型を示した。また、PPAl遺伝子破壊株より単離した液胞膜小胞は、V-ATPaseの特異的阻害剤であるBafilomycin Alに感受性のATPase活性を失い、V-ATPaseのサブユニットの液胞膜への結合も阻害されていた。以上、Vmallp、Ppalpが機能的にもVma3pと類似していることを示唆する知見を得た。今後、それぞれの遺伝子産物の細胞内局在性や変異遺伝子を発現する細胞でのV-ATPaseサブユニットの挙動な度を解析することでVma3pとその相同分子の機能分担に関してさらに新たな知見を得ることができると考える。
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