内在性ベンゾジアゼピン様物質(エンドゼピン)の生合成調節機能の解明
Project/Area Number |
05772041
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
桂 昌司 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80204452)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | エンドゼピン / 不安誘発物質 / ポリペプチド / 薬物依存症 / ニコチン / アルコール / mRNA / 大脳皮質 |
Research Abstract |
内在性ベンゾジアゼピン(BDZ)様物質として知られているendozepine(diazepam binding inhibitor,DBI)の薬物依存形成およびその成立過程における脳内での生成とその調節機構について、マウス大脳皮質ならびに初代培養神経細胞(培養細胞)を用い、nicotine(NIC)の短期投与あるいは長期連用に伴うDBImRNA発現量の変化と受容体結合実験の面より検討した。NICの急性および慢性耐性発現時におけるDBImRNAの発現量は、マウス大脳皮質および培養細胞のいづれの条件下においても、NIC濃度および処置時間に依存した増加が認められた。培養細胞のNIC曝露に伴うDBImRNA発現量の増加は、NIC受容体のantagonistであるhexamethoniumの前処置により完全に消失した。なお、対照として用いたbeta-actin mRNAの発現量はいづれの実験系においても何ら変化も認められなかった。一方、NICを長期投与したマウス大脳皮質および培養細胞を用いて粗シナプス画分を作製し、GABA_A/BDZ受容体に対する受容体結合実験を行ったところ、NIC受容体のdown-regulationの認められる条件下で、BDZ受容体にもdown-regulationが認められた。従って、NICはマウス大脳皮質および培養細胞においてDBImRNAの発現量を増加させ、さらにNICによるDBImRNA発現量の調節にはNICおよびBDZ受容体の機能変化が関与することが明らかとなった。以上の成績より、本研究で計画した、内在性BDZ様物質の生合成調節機構の解析は、未だ統一見解の得られていない薬物依存症をはじめとする種々の病態成因の解明に極めて有用な方法であると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)