Project/Area Number |
05780066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 修一 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70152303)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水平加速度外乱 / 高齢者 / 立位姿勢保持能力 / 開眼 / 閉眼 |
Research Abstract |
1.本研究は、高齢者および青年を対象に、開眼および閉眼状態における前後方向への瞬間的な水平加速度外乱を与えた時の足圧中心動揺と下肢筋の筋電図を分析・検討することによって、高齢者の加速度外乱に対する身体応答の特徴を明かにすることを目的とした。 2.身長と体重がほぼ同様な、60歳以上の高齢者7名と青年7名を対象にして、フォースプレートを支持台ごと水平移動できる移動台を用い、開眼および閉眼状態の被験者に瞬間的な前後方向の加速度外乱を与えた(台移動距離:10mm、移動時間:70.msec)。その際、フォースプレートから得られた足圧中心動揺波形から応答時間と動揺距離を計測し、足関節の伸筋および屈筋の筋電図から筋の筋放電潜時を測定した。 3.その結果、前方および後方外乱における応答時間において,高齢者は青年に比べ大きな値を示した。また、動揺距離では,いずれの方向においても高齢者が青年よりも有意に大きな値を示した。これらのことから、高齢者は青年に比べ、加速度外乱時の復元時間が長く,動揺距離が大きいことが結論される。さらに、筋放電潜時については、前・後方向外乱時の足関節の伸筋と屈筋ともに、高齢者の値が青年より有意に大きな値を示した。 4.開眼時と閉眼時の比較を行い、視覚情報の有無による影響について検討したところ、高齢者の復元時間において、閉眼時が開眼時に比べ有意に大きな値を示したが、青年では開眼時と閉眼時の間に差異は認められなかった。また、動揺距離において、高齢者では閉眼時が開眼時より大きな値を示したが、青年では開眼時と閉眼時の間に差異は認められなかった。これらのことは、高齢者は青年に比べ、加速度外乱時の立位バランス応答に及ぼす視覚の影響が大きいことを示唆するものである。さらに、開眼時と閉眼時の足関節の伸筋と屈筋の筋放電潜時について両者を比較すると、両者とも閉眼時に潜時の遅延が認められ、特に高齢者において、潜時の遅延が大きくなる傾向を示した。
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