Project/Area Number |
05780125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村山 良之 東北大学, 理学部, 講師 (10210072)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 内水氾濫 / 都市災害 / 災害への対応 |
Research Abstract |
仙台市東部の沖積低地にある、扇町とその周辺地域は、製造業とその流通部門などが集積する業務地区である。経年的に捉えられる唯一の資料である建設省発行の水害統計(1961-90)を洗い直し、水害年表を作成した。その結果以下のことが明らかになった。1966年と82年に仙台市で水害の記録があるが、当地での被害は明らかでない。1986年8月の豪雨被害では大きな被害を被り、それ以降ここは、内水氾濫が頻発している。ことに1990年には、9月から11月にかけて3回たて続けに水害が発生した。 これに対して、仙台市では市全体の排水計画を全面的に見直す一方、県や国と総合的な対策のための交渉に入っている。とくに当地については、排水路や排水機場などの施設整備を集中的に行ない、1993年春までに完成させた。 一方、当地の企業側について明らかにするために、日の出町(1-3丁目、扇町1-3丁目において、アンケート調査を実施し、約250社から回答を得た。現在その分析中であるが、これまでに明らかになったことは以下のとおりである。多くの企業は、盛土などをしての建て直し、保険の加入、商品などの置き場所の工夫、大雨が予測される場合の商品などの移動、さらには、署名活動、訴訟など、じつにさまざまの対応を行なっている。これらの多くは、1986年8月の豪雨被害以降に始められ、中には、これらのために、被害を最小に食い止めた事例が認められる。一方、被害の波及性を検討するための、被害についてのデータは予測以上に集まっていない。いずれにせよ、アンケートデータの詳細な解析とともに、聞き取り調査などを実施して、これらの具体的な把握のための作業を続ける予定である。
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