Research Abstract |
平成5年度に完全実施となった中学校の学習指導要領では,技術・家庭科は指導内容及び履修方法等に大幅な改革が加えられた。これに対し,本研究では,技術・家庭科の主要な領域の一つであり,男女ともに必修領域となった木材加工を取り上げ,実施上の問題点や教材の開発,指導方法等について以下の検討を行った。 1.徳島県下の中学校(5校)を対象に,技術・家庭科及び木材加工領域に対する生徒の意識調査を実施した。現在までにほぼ集計と分析が終了し,学年間及び男女間における興味や関心等の意識の違い,木材加工の指導において配慮するべき点,生徒が望む製作題材等について明らかにすることができた。より詳しい分析を行うため,調査地域の範囲を広げることや,中学校入学以前及び卒業後についても調査を検討中である。 2.木材加工の製作実習における教材として,題材及び教師用マニュアルの開発を行った。特に教師用マニュアルについては,生徒の指導に利用されることを前提とすることから,本講座に所属する学部生等の協力を得て,生徒が失敗をおかし易い点や失敗を未然に防ぐ方法等について検討し,作業工程にそってこれを記述するよう配慮した。このマニュアルを利用した題材もいくつか完成していることから,今後は,生徒用のテキストの作成と合わせて実際の授業で利用し,実用化に向けた改善等が必要である。 3.工具の使用方法に関する研究の一環として,かんな作業中に手からかんなに加える力の測定,かんなの刃先突出量の測定器具の試作,あさり(のこ歯先端部の振り分け)の不正等によるのこぎりの引き曲がりの検査器具の試作等を行った。かんな作業中に手からかんなに加える力の測定については,切削作業中のかんな位置の検出方法が難しいことから,現在学内の協力者を得て,レーザを使用した位置計測方法を検討中である。
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