Project/Area Number |
05780193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
村田 利裕 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90200295)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 折り紙 / 動作学 / 手の形 / 手の動き / CCTVシステム / 基本形の折り |
Research Abstract |
本研究の目的は,日本の伝統的な文化であるおり紙の「折り」の動作にふくまれる基本動作を抽出し,特徴を分析・系統化することである。研究対象は、基本形の折りである。基本形の折りには、谷折り・山折り・中わり折り・かぶせ折り・引き寄せ折り・摘み折り・内側の広げつぶし・花弁折り等、8〜11種類程度が考えられ、その他に、見る位置を変える、折り筋をつける、段折り、裏返す等が利用されている。日本折紙協会でも、技法を説明するために約束記号として、形態の変化と動作の関係の記号化を試みている。本研究の研究方法としては、マイクロカメラ1台を含む4台のビデオで動作を記録し,4方向の視点を1台のデッキで統合して記録分析するCCTVシステムを導入した。被験者は、日本折り紙協会所属の熟練者で、分析は、動作学の専門家、広島大学医学部鎌倉矩子氏に評価を依頼した。結果としては、手の動作の要因では、紙をつかむとき手の資質(皮下組織・皮膚・発刊)が有効で、指尖球の利用が多いことがわかった。代表的な谷折りでは、左手で押さえ・右手で2つの頂点を一致させる。山折りでは、視覚から、頂点を見失う過程があり、イメージを働かせながら作業する必要がある。この特性のあるのは、内側の広げつぶし・花弁折りなどで、技法としては難しい。よくみられる手の形態としては、1指の突き出し、2指の突き出し、2指の対応、BH型の摘みで、動作では、押しつけ、押し出し、引きよせ、弛緩が多く、手全体を使う手根骨の回転と、動作の外転と別の動作といった複合動作で一つの技法が成立している場合が見られた。 これらの結果から、動作要因(手の形・動き)、対象要因(紙の形の変化)、動作を統括する心理要因(知覚・認知)の3要因で制作過程を分析できることがわかり、この3要素で系統化が可能である。今後の課題は、応用折りの生成過程を検証することである。
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