Research Abstract |
格子上の時系列モデルは,画像データや酸性雨などの環境データ,地域的な影響のはいった医学データ,地震や風力などの地球科学のデータなど,空間的な情報処理の際に有用であり,いろいろな研究がなされつつある。もっとも理論的に基本的で応用上重要な場合としてガウスマルコフ場モデルがある。しかし、基本的な性質(1次元の場合に今までの研究で知られているような基本的な性質)について知られていない部分が少なくない。 ここでは、一般の格子状のガウスマルコフモデルについての研究を行った。 格子状の空間的に一様なガウスマルコフ過程モデルはある点での確率変数を近傍の確率変数に回帰させる回帰係数をパラメータとして持つ。多くの研究でこのパラメータの絶対値は近傍の数の逆数より小さいと言うことが仮定されてきた。しかし、この条件が一般の格子状のガウスマルコフモデルでガウスマルコフ過程が存在するための必要十分条件であるということは予想はされていたが証明は与えられていなかった。この研究ではこの条件が応用上重要なほとんどの格子が満たすある条件のもとで必要十分であることをしめし、またその条件を満たさない場合には十分条件ではあるけれども必要条件とはならないという結果を示した。また、一般の格子状のガウスマルコフ過程モデルの自己相関関数の公式を与え、その計算の効率のよいアルゴリズムを与えた。
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