Research Abstract |
すでに研究を進めていたオブジェクト指向開発支援システムの研究における知見に基づき,分散協調型のオブジェクト指向開発支援システムを実現するための要素技術として,分散処理方式とアプリケーション・フレームワークの実現方式の研究を行った. 分散処理方式に関しては以下のような方式に関して検討すると共に,効率的な実現方式を明らかにした. (1)グループウェア機能に着目した,クライアント・サーバー間のメッセージの機能と形式の定義 (2)分散環境上のソース,オブジェクト,文書などのファイル,プロセッサ等の資源の管理,利用方式 (3)変更されたソースファイルやオブジェクトファイルの共有,配布方式と各種情報のキャッシュ方式 (4)分散並列処理によるコンパイルの負荷分散方式と,ネットワーク上でのコンパイル処理のマシンへの割当方式 開発支援システムの開発を効率よく行うための方法論として,オブジェクト指向によるアプリケーション・フレームワークの研究を行った.この概念の有効性を確認するために,分散協調開発支援システム構築を対象としたクラス群の要求分析,設計,試作を行った.また,フレームワークの試用により,分散処理のための複雑なメッセージ交換処理などを隠蔽できることなどにより,分散協調開発支援システムを容易に構築できることが確認された.さらに,フレームワークの利用により,メッセージ交換機能などのグループウェアに必要な基本機能がシステムに自動的に組み込まれるだけでなく共通化されるため,複数の構成要素からなる分散処理システムの一貫性を容易に実現できることが確認された.
|