Research Abstract |
本研究では,近年注目されているグループウェア(組織の協同作業を支援するシステム)のための動作モデルを提案し,それい基づくアプリケーションを開発することによりモデルの評価を行ってきた. 本モデルは,協同作業に独立なメンバ管理モジュールと,協同作業の対象となるデータに依存する共有データ管理モジュールおよびアプリケーション・モジュールからなる. メンバ管理モジュールは,グループに所属するメンバを管理し現在の状態を保持する.また,メンバからの状態問い合わせに応答したり,協同作業要求をメンバに通知する.共有データ管理モジュールは,協同作業の対象となるデータ構造に依存し,データの参照・更新を行う.メンバは他のメンバと同期・非同期に共通の情報(共有データ)を参照できる.また,共有データの変更においては,協同作業に参加しているメンバの多数決によって決定され,共有データの変更履歴を管理する.アプリケーション・モジュールは,協同作業の内容に依存し,データの視覚的表示および操作,計算を行う. 今回は,ネットワーク接続されたUNIXワークステーションやX端末間で,複数ユーザが図形と文字を共有しながら対話を行うアプリケーションを試作した.ソニー社とSUN社のワークステーション及び数社のX端末上での動作を確認している. 現在,共有データ管理モジュールとアプリケーション・モジュールの分離が完全ではない.今後データベース管理システムの導入により,モジュール間の依存度を減らすとともに,メンバ管理機能の強化および本モデルに基づくプログラム開発支援ツールの研究を行いたい.
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