アミノグリコシド系抗生物質アグリコンの炭素環合成酵素の精製と反応機構解析
Project/Area Number |
05780415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山内 敬明 東京工業大学, 理学部・化学科, 助手 (30242259)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 二次代謝 / 生合成 / 抗生物質 / アミノグリコシド / 酵素 / ^2H NMR / streptomyces fradiae / 2-デオキシ-scyllo-イノソース |
Research Abstract |
当初の計画に基づきネオマイシン生産菌Streptomyces fradiae菌体より調製した無細胞抽出液について、硫安分画、DEAEイオン交換クロマトグラフィーを行い、"2-deoxy-scyllo-inosose合成酵素"を部分精製した。さらにこの反応機構の考察に重要な基質グルコース-6-リン酸の4位水素の挙動を追跡した。4位重水素化基質およびpositive controlとして6位重水素化基質を化学的に合成した後、本反応の補酵素であるNADとともこれら基質を上記部分精製酵素液に加えインキュベーションを行い、生成物を誘導体化後^2HNMR測定および質量分析した。その結果、基質の4位重水素は、反応生成物である2-deoxy-scyllo-inososeの6位に約60%が保持されていることが明らかとなった。さらにこの間に重水素に関する同位体効果に由来すると思われる化学収率の低下が見られた。これは、本反応では基質4位において補酵素の触媒的回転により酸化還元反応が起こることを示し、本反応が単一酵素による可能性を示唆するものと考えられる。本酵素反応は微生物や植物の芳香族アミノ酸生合成系、シキミ酸経路中でのデヒドロキナ酸合成酵素の反応と類似性が示唆されているが、本研究で得られた結果(補酵素の触媒的回転による酸化還元)はデヒドロキナ酸合成酵素でも既に報告されており、本酵素とデヒドロキナ酸合成酵素の類似性を示すものであると考えられる。今後この現象を定量的に解釈するため、そして本酵素の構造と性質を調べ、酵素レベルでこれら二つの反応系を比較検討し、一次代謝と二次代謝の比較により二次代謝の起源と発現機構を明らかにすることを目的とし、現在酵素反応の最適条件、および各種クロマトグラフィーによる本酵素の精製を検討している。また本反応系はグルコースをはじめとする糖誘導体より光学活性サイクリトールを生産する新たな物質変換系を構築できる可能性を秘めており、この点に関し、各種糖誘導体を用い基質特異性を検討することについても計画している。
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Report
(1 results)
Research Products
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