Project/Area Number |
05780425
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
千田 憲孝 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (50197612)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | L_-クエブラキトール / シクリトール / 分枝シクリトール / キラル素子 / Baeyer-Villiger反応 / 有機アルミニウム試薬 |
Research Abstract |
天然に豊富に存在するシクリトール類(myo_-イノシトール、L_-クエブラキトール等)を出発原料とし、これらから比較的短い工程数で立体化学の定まったアルキル基や水酸基を有する炭素数3から7の様々なキラル素子を創製する。それらを利用して有用な天然有機化合物を光学活性体として全合成することを目的として、まず天然ゴム採取時のラテックス中より得られる光学活性なシクリトールであるL_-クエブラキトールにメチル基の導入を試みた。 L_-クエブラキトールから立体選択的に誘導される3種類のエポキシド体に対し、有機金属試薬を用いた反応を検討したところ、有機アルミニウム試薬を用いた場合、高収率、高位置選択的にメチル基を導入できることがわかった。また基質によっては有機アルミニウム試薬と銅試薬で位置選択性が逆転する知見も得られた。こうして得られた分枝シクリトール類の遊離の水酸基を酸化し、得られたケトンをBaeyer-Villiger酸化に供したところ、ケトンカルボニルのalpha、alpha'位にそれぞれメチル基、アルコキシ基を有する基質の場合、反応は高位置選択的に進行し、アルコキシ基を有する炭素側に酸素が導入された7員環ラクトンが単一の生成物として高収率で得られることを見いだした。こうして、L_-クエブラキトールへのメチル基の立体選択的な導入、シクロヘキサン環の位置選択的な開裂法を開発することができた。現在、この7員環ラクトンを利用して、抗真菌性抗生物質であるラノマイシンを全合成することを試みている。
|