平滑筋特異的に発現する新しいカルパイン分子種の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
05780430
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
反町 洋之 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10211327)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | カルパイン / 組織特異的発現 / 胃 / システインプロテアーゼ / カルシウム / altemative splicing / Ca^<2+>結合領域 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
カルパインはCa^<2+>依存性細胞内システインプロテアーゼであり、直接細胞内タンパク質と相互作用する細胞内モジュレーターと考えられる。従来から研究されているmu-,m-カルパインは普遍的に発現し、細胞の基本的かつ重要な機能を担うと予想されるのに対し、我々は骨格筋特異的に発現する第3の分子種を見いだした。組織特異的カルパインは、組織の機能と関連した解析、構造比較が可能なため非常に有用である。そこで我々は、さらに組織特異的カルパインを探索し、胃特異的に発現する分子種を発見した。本研究ではまずこの構造を完全に決定し、全長をコードするmRNAに加え、alternative splicingによってC-末端のCa^<2+>結合領域を欠損する構造も存在することを明らかにした。すなわち、一つはアミノ酸703残基から成り全長にわたってmu-,m-カルパイン大サブユニットに相同性を持っていたのに対して、一方は381残基から成り、ほぼプロテアーゼドメインのみを含んでおり、それぞれnCL-2,nCL-2'と名付けた。Ca^<2+>結合領域の欠損は、カルパインが元来Ca^<2+>を要求しないプロテアーゼであることを示唆するため、活性制御機構や分子進化を解析する上でも非常に興味深い。そこで、これらの転写調節機構を解析するためにnCL-2,-2'の遺伝子を解析した結果、両者が同一の遺伝子座に存在することが確認され、遺伝子も1コピーであることが明らかとなった。現在、上流領域の解析などを進めているところである。また、nCL-2,nCL-2'をCOS細胞に発現し、これらの発現様式を解析したところ、特にnCL-2は、浮き上がってきた細胞に多く発現していることが明らかとなった。このことが細胞のアポトーシスなどと関係している可能性もあり、現在さらなる解析を進めているところである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)