質量分析による糖蛋白質糖鎖構造の解析法に関する研究
Project/Area Number |
05780438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高尾 敏文 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (10197048)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 糖蛋白質 / 糖鎖構造 / 糖鎖ミクロヘテロジェネイティ / エレクトロスプレーイオン化質量分析 / タンデム質量分析 / 化学修飾 / イオン化効率 / 高感度測定 |
Research Abstract |
本研究は、質量分析による微量糖蛋白質の糖鎖構造解析法の確立を目的に行い、以下の知見を得ることができた. 1.エレクトロスプレーイオン化質量分析による糖蛋白質糖鎖ミクロヘテロジェネイティの解析. 糖蛋白質における糖鎖構造の不均一性(糖鎖の種類と存在比)、いわゆるミクロヘテロジェネイティについて、糖蛋白質から単離した糖ペプチドをエレクトロスプレーイオン化質量分析により測定することで、糖鎖構造のみならず、得られるシグナル強度から糖鎖構造の差による各々の分子種の部位特異的存在比を簡便に知ることができることを新たに見いだした. 2.エレクトロスプレーイオン化質量分析によるオリゴ糖高感度分析のための新規化学修飾法(2-diethylaminoethyl 4-aminobenzoate誘導体化)の開発. 糖蛋白質から化学的に遊離させた微量の糖を効率良く誘導化でき、しかも、エレクトロスプレーイオン化質量分析において高いイオン化効率を持つ誘導体化剤を考案し、数種の既知オリゴ糖に応用した.その結果、検出限界10フェムトモルという質量分析において非常に測定感度の高い(遊離の糖の約5000倍)誘導体化法であることを確認した. 3.オリゴ糖及び糖ペプチドのタンデム質量分析による糖鎖構造解析・ 上記実験で得られた誘導体化糖及び糖ペプチドをタンデム質量分析により測定し、質量分析における開裂様式、及び、それから得られる構造情報に関して新たな知見を得た.すなわち,観測されるフラグメントイオンから、糖鎖の測定においては糖鎖配列及び還元末端の、糖ペプチドでは、アミノ酸配列、及び、糖鎖配列並びに結合部位の解析が可能であることを見いだした.最終的に、ヒト血液凝固因子(factor IX)の糖鎖構造解析に応用し、いままで見落とされていた0-結合型糖鎖の構造同定を行うことができ、本方法の有用性を確認した.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)