Project/Area Number |
05780458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 岳 広島大学, 総合科学部, 助手 (30192397)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | コレステロール輸送 / 副腎皮質細胞 / ACTH |
Research Abstract |
新鮮なウシ副腎から皮質細胞を単離して初代培養する方法を確立した。細胞内コレステロールのミトコンドリア内膜までの輸送速度は、内膜でコレステロールから生じるプレグネノロンの分泌量をRIAで定量する事によって測定した。 コレステロールの細胞内輸送は副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって活性化される。このACTHによる効果は、脂肪酸リポキシゲナーゼ活性の阻害剤であるNDGAおよびAA861によって阻害されることをウシ副腎皮質束・網状層細胞で初めて見いだした。 これら阻害剤の作用部位を解明するために、ミトコンドリアに直接入る水溶性ステロイド基質である20alphaOHコレステロールの代謝に対する影響を調べた。その結果、NDGAはミトコンドリアのP450sccの活性を直接阻害しているが、AA861はミトコンドリアへのコレステロール輸送を阻害していることが明らかになった。 10^<-10>M以上のACTH濃度で細胞を刺激した場合、50muMのAA861はACTHの効果を50%阻害した。この濃度のACTHは細胞内cAMP濃度を上昇させる。1mM-10mMのジブチリルcAMPで細胞内コレステロール輸送を直接活性化した場合も50muMのAA861はcAMPによる活性化を約50%阻害した。よって高濃度のACTHで細胞を刺激した場合には、リポキシゲナーゼ阻害剤は細胞内cAMP濃度の上昇によるコレステロール輸送の活性化を阻害していると考えられる。10^<-12>MのACTHは細胞内cAMP濃度を変化させずにコレステロール輸送を促進する。50muMのAA861はこの濃度でのACTHによるコレステロール輸送の活性化をほぼ完全に阻害した。よって生理的濃度(10^<-12>M)のACTH刺激においては、脂肪酸の代謝物がコレステロール輸送の調節に主要な役割を果たしていることが示唆された。
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