c-Metチロシン・キナーゼを介した細胞内情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
05780538
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
駒田 雅之 関西医科大学, 医学部, 助手 (10225568)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / scatter factor / c-met癌原遺伝子産物 / 受容体 / チロシン・キナーゼ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Scatter factor/hepatocyte growth factor(SF/HGF)の細胞分散、細胞運動性亢進作用のシグナル伝達における、その受容体c-met癌原遺伝子産物(c-Met)の細胞内チロシン・キナーゼ領域の機能を明かにするために、上皮細胞増殖因子(EGF)受容体の細胞外領域とc-Metの細胞内領域からなるキメラ受容体EMR、およびEMRの細胞内c-Metチロシン・キナーゼのATP結合部位であるLys-1108をAlaに置換した変異受容体K1108A、主要自己リン酸化部位であるTyr-1233をPheに置換した変異受容体Y1233Fを、SF/HGFの標的細胞であるマウス・メラノーマ細胞株B16-F1に発現させ、各受容体発現細胞のEGFに対する応答と各受容体のチロシン・キナーゼ活性について解析した。 各受容体発現細胞のEGFに対する応答を調べた結果、EMR発現細胞はEGF刺激により細胞どうしが互いに分散し、またその運動性が亢進していた。これに対しK1108A、Y1223F変異受容体発現細胞ではEGFに対する応答は観察されなかった。発現細胞をEGF刺激した時の各受容体のチロシン自己リン酸化を調べた結果、K1108Aのリン酸化は検出されず、Y1223Fのリン酸化もEMRのそれの約4%に低下していた。免疫沈降した各受容体のin vitroでのキナーゼ活性をミエリン塩基性蛋白を基質として測定した結果、K1108Aの活性は全く検出されず、Y1223Fの活性もEMRのそれの約3%にまで低下していた。さらに発現細胞をEGF刺激した時の細胞内蛋白質のチロシン・リン酸化を抗ホスホチロシン抗体によるイムノブロッティングで解析した結果、EMR発現細胞において観察された分子量115kDaと110kDaの蛋白質のリン酸化は、K1108A、およびY1223F発現細胞では検出されなかった。 以上の結果より、SF/HGFの細胞分散、運動性亢進作用のシグナルはc-Metの細胞内領域のチロシン・キナーゼ活性化により伝達されること、そしてそのチロシン・キナーゼ活性化には主要自己リン酸化部位(Tyr-1233)のチロシン・リン酸化が重要な役割を果たしていることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)