カテニンによる細胞接着分子カドヘリンの機能制御と形態形成
Project/Area Number |
05780555
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
永淵 昭良 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所・生体情報研究系・液性情報, 助手 (80218023)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 細胞間接着 / 細胞骨格 / カドヘリン / カテニン / 遺伝子操作 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究では、カドヘリン-カテニン細胞接着複合体の機能について解析を進めている。この接着複合体は、組織の形成や維持、また癌細胞においてはその転移の抑制などに重要な役割を果たしていると考えられている。逆にこれらの現象を分子的レベルで理解するためには、この複合体の機能解析が必須なものであると考えられる。これまで、おもにカドヘリン結合タンパク質の一つであるalphaカテニンについて解析を進めてきており、前年度までにカドヘリンとalphaカテニンの融合タンパク質を細胞に発現させる系を確立することができた。この系はこれまで困難であったカドヘリン-カテニン複合体の機能解析を進める糸口になると考えられる。 本年度はカドヘリン-alphaカテニン融合タンパク質のalphaカテニンの領域についてalphaカテニンのアミノ末端側半分、カルボキシル末端側半分のみを持つものを作成し、解析を進めた。その結果、これらの分子はともに細胞骨格系と相互作用する事が示され、少なくともalphaカテニンは2箇所以上の領域を介して細胞骨格系と相互作用していることが示された。この結果はalphaカテニンが相同性を示すヴィンキュリン分子について得られている知見と一致した。一方分子の細胞接着分子としての機能を見ると、カルボキシル末端側半分を結合したものは正常なカドヘリンと区別できないような接着能を示したのに対し、アミノ末端側を結合したものは強い細胞接着能を示すことができなかった。これは、alphaカテニンのカルボキシル末端側がカドヘリン分子と結合していれば、カドヘリンが接着分子として機能できることを明確に示している。一方でアミノ末端側を介した細胞骨格系との相互作用だけではカドヘリンが接着分子として機能できないことを示しており、カドヘリンの接着機能調節と、細胞骨格との相互作用がこれまで考えられてきたより複雑であることを示している。 これまでalphaカテニンそのものの細胞内での強制発現の系については確立できていなかった。しかし、新しいalphaカテニン欠損細胞の検索、薬剤耐性のためのプラスミドの変更などにより、強制発現系を動かせる可能性ができた。現在、その系の確立に取り組んでいるところである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)