延髄巨大細胞性網様核の網様体脊髄路細胞の指向運動遂行時における活動様式の解析
Project/Area Number |
05780616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊佐 正 群馬大学, 医学部, 講師 (20212805)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | head movements / crienting / visuo-motor transformation / reticular formation / reticulospindl neurones / Single unit recording / cat |
Research Abstract |
ネコが視覚対象に対して頚を向ける指向運動の際には、上丘に入力された視覚情報が、脳幹網様体の神経回路を経て運動信号に変換される。我々は、これまでの実験で、尾側橋網様核(NRPC)とForelH野(FFH)から、指向運動遂行中に単一細胞活動の記録を行い、それぞれ、同側水平方向、垂直方向に選択性を持つことを明らかにした。今回さらにNRPCの尾側にあり、NRPCとFFHの細胞がいずれも軸索側枝を投射する延髄巨大細胞性模様(NRG)から、単一細胞活動の記録を行った。 10匹のネコから、計116個の細胞を記録した。65個の細胞が指向運動に関連した活動の変化を示した。20個の細胞は同側水平方向への運動に20-100ms先行して一過性の活動の増加を示した。18個の細胞は同側水平方向への運動に先行する活動の他に、対側への運動に遅れる増加を示した。いずれのタイプの細胞も、同側への運動時の発火は、運動の振幅、最大角速度と有意な正の相関関係があった。その他、同側への運動に遅れる増加を示す細胞、対側への運動に先行する増加を示す細胞、対側への運動に遅れる増加を示す細胞などが見られた。また8個の細胞は垂直方向に特に方向選択性を示した。また4個の細胞はあらゆる方向への運動に先行する活動の増加を示した。また32/38、28/48の細胞で対側上丘、大脳脚刺激に対する短潜時の順行性の発火応答が見られた。また13個の細胞はC3頚髄刺激で逆行性に応答し、網様体脊髄路細胞と同定された。以上の結果から、NRGも指向運動に際して上位中枢からの信号を脊髄に伝える中継核として機能するが明らかになった。また一部の細胞について方向選択性をより系統的に調べたところ、多くの細胞は水平方向に選択性を持つが、垂直方向や斜めに選択性をもつ細胞も多く見られ、NRGのレベルで水平系と垂直系の統合過程の一部が行われていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)