可塑性に由来する痛覚受容器活動の交感神経性興奮の機序の解明-交感神経興奮によって誘発される痛みの病態を探る-
Project/Area Number |
05780620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 純 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (00235350)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 痛覚受容器 / 交感神経 / 慢性痛 / アジュバント関節炎19GA01:JUN SATO |
Research Abstract |
末梢痛覚系の活動に対する交感神経系の促進作用は、末梢神経傷害や慢性炎症性疾患などの病態にともなう交感神経性疼痛症の存在からも明らかであるが、そのメカニズムは未だ解明されていない。平成4年度奨励研究で、腰部交感神経電気刺激(SS)やノルエピネフリンの局所動脈投与(NE)がアジュバント関節炎ラットの皮膚痛覚受容器(ポリモーダル受容器、PMU)活動に異常放電を引き起こすことを明らかにした。本年度、この異常放電のメカニズムに関与するカテコラミン受容体の種類と存在場所を特定するため、各種カテコラミンalpha受容体阻害剤の効果をしらべた。また、交感神経を選択的に破壊することが知られているグアネチジンを用いて交感神経除去ラットを作製し、NE反応に対する交感神経の存在の有無がいかなる影響を与えるかを観察した。 カテコラミンalpha_1受容体の阻害剤であるプラゾシンは異常放電になんら影響を示さなかった(4例)が、カテコラミンalpha_2受容体に対し比較的選択的な阻害薬であるヨヒンビンやCH-38083投与(0.1-1mg/kg,iv)はNE反応を抑制した(総数12例)。また、グアネチジン6週間投与による交感神経除去を施行したアジュバントラットを用いてNEの効果を調べたところ、同様の異常放電が誘起され(6例)、この反応はCH-38083によって抑制されるものであることがわかった。 以上の結果から、実験的慢性炎症病態で観察された交感神経性痛覚受容器興奮には交感神経節後ニューロン以外に存在するalpha2受容体が関与することが明かとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)