Project/Area Number |
05780625
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | 国立衛生試験所 |
Principal Investigator |
小野 景義 国立衛生試験所, 生薬部, 主任研究官 (40177259)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | CGRP / calcium channel / potassium chaunel / electrophysiology / heart / endothelin / chronotropic effect / cAMP |
Research Abstract |
本研究では、哺乳類心筋細胞のカルシウム電流(I_<Ca>)および遅延性カリウム電流(I_K)それぞれに対するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の作用の細胞内分子機序を探ることを目的として実験を行なった。また、本研究遂行中に付帯的事項として、最近心血管系における役割が注目され、選択的拮抗薬の開発が話題となっている生体内活性ペプチド、エンドセリンの電気生理学的作用に関し、極めて興味深い事実が判明した。 1.CGRP作用のイオンチャネル特異性とそれに介在するcAMPの役割についての検討 記録電極を通じてcAMPを細胞内へ直接投与し、I_<Ca>、I_K両電流に対する活性化作用を調べた。whole-cell clamp成立の瞬間からI_<Ca>とI_Kとの両膜電流の変化を観察した結果、(i)cAMPの細胞内灌流によりI_<Ca>、I_K共に活性化されるがその時間経過は前者が数10秒程度先行すること、(ii)cAMPの作用が平衡に達した時点では、I_<Ca>、I_K共に同程度の増大率に達することが明らかとなった。これらの結果は、cAMP以降両イオンチャネルに至る経路に、(1)介在する酵素(群)の反応速度に違いがあるか、或いは(2)それらの酵素(群)のcAMP感受性自体に差がある可能性を想定しなければ説明がつかない。この点につき、現在種々の濃度のcAMPあるいはAキナーゼの触媒サブユニットを細胞内に直接適用することによる両電流の増大率を定量的に検討中である。cAMPの細胞内局所濃度を光学的に測定する方法も検討中である。 2.エンドセリン(ET)の心筋活動電位に対する作用とそのイオン機序 エンドセリンは強力な心搏数増大作用および心収縮力増大作用を有することが知られているが、心筋活動の基礎をなす各種イオンチャネルの機能に対する作用は殆ど未解明である。本研究により、以下の事実が明らかとなった。 ET-1は比較的低濃度より静止膜電位を過分極させ、活動電位の持続時間を短縮させた。この作用はBQ123で遮断されたことよりET_A受容体を介したものであると考えられた。この作用のイオン機序を膜電位固定法により解析した結果、ET-1はETA受容体を介して、I_<Ca>を抑制し、アセチルコリン性カリウムチャンネル(I_<K(ACh)>)を活性化させることが判明した。さらに、これらETの電気生理学的作用の細胞内機序につき、基礎的検討を加えた結果、GTP結合蛋白質および細胞内cAMPの産生制御の関与が示唆された。現在、これらの細胞内機序につき、引き続き更に詳細に検討中である。
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