Research Abstract |
SPFラット(雄,9周令,300g前後)73匹を用いて,麻酔下で右膝関節を非吸収性の糸で屈曲位に固定して膝関節屈曲拘縮を作成し,任意にコントロール群,プラシーボ群,レーザー群,温水群に分けた。コントロール群は無治療で飼育器内での動作に制限を与えなかった。レーザー群は膝周辺の体毛を剃り右膝のみ露出する器内で麻酔無しで1日5分間計15回レーザー(Fuji製 半導体レーザー 出力10mW,波長780nm)を投射した。プラシーボ群はレーザー群と同様に扱うが,レーザーのスイッチをオフにした。温水群は麻酔無しの状態で1日10分間計15回42度の温水に浸した。実験室の温度は20度に,湿度は55〜60%に維持された。治療完了後下肢の標本を作成し,フーリエ変換解析にて結合組織の弾性を測定した。73匹中10匹の測定値は糸の切断,感染等の理由により統計処理から除外した。位相差ではプラシーボ群が最大値をレーザー群が最小値を示す傾向があったが,分散分析(有意水準95%)の結果各々の群間に有意な差は認められなかった。剛性では温水群が最小値をコントロール群が最大値を示す傾向があったが,位相差と同様有意な差は認められなかった。レーザーはプラシーボ効果が大きく実際には無治療又は温水治療よりも結合組織の弾性を減少する傾向が見られたが,有意な差が認められなかったため現時点では結論できない。今後,治療回数の異なる群間で比較する必要性がある。
|