高度経済成長期における協調的労使関係形成に関する実証的研究
Project/Area Number |
05801026
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
上田 修 桃山学院大学, 社会学部, 助教授 (30160162)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 運動理念 / 労使協調 / 労使関係 / 組合分裂 / 三菱重工 / 造船・重機械産業 / 全造船労組 |
Research Abstract |
協調的労働組合の行動様式、その組合機能のあり方を、高度経済成長過程で生じた全造船三菱支部長崎造船所分会の組合分裂問題を素材として、考察・検討した。 1従来、組合分裂は、企業利益に跼蹐した組合員の行動によって生じるものとされ、新組合のリーダー達が抱く運動理念、それにもとづく組合機能のあり方については、注意が払われなかった。しかし、この事例では、第二組合結成に際して、リーダーの間で新組合結成の正当性、それに規定された運動理念をめぐる対立、その調整というダイナミックな過程がみられた。この点を踏まえれば、第二組合結成という事態は、直ちにその組合の性格なり、その組合機能に結びつくものではなく、そのリーダー達がいかなる運動理念を抱いたか、それがどのように変化したかというプロセスが、組合機能や行動様式に重大な影響を与えるということができる。 2組合分裂が拡大する過程について、通説は、年齢、職種といった組合員間の利害対立を重視している。しかし、本研究から、これらの点に加えて、団体作業か個人作業かといった仕事の性質、組合が末端職制をどの程度包摂しているか、それゆえ職場集団の社会的構造のあり方が重要であることが明らかになった。 3新旧組合の運動スタイルの違いは労使協調か否かという点ではなく、より根源的には運動理念に規定された企業における従業員の位置づけ、それにもとづく企業経営への関わり方、それと深く関係する労使交渉のあり方にある。それゆえ、新組合が掲げる運動理念から労使協調の内実を検討することが重要である。
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Report
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Research Products
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