コーティング薄膜の作成とその材料評価に関する基礎研究
Project/Area Number |
05805011
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢島 善次郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60148145)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | コーティング / 薄膜 / X線プロファイル解析 / ステンレス鋼 / X線応力測定 |
Research Abstract |
本研究では、ステンレス鋼の単独薄膜上に延性の優れた金及びチタンのコーティングを基板温度、膜厚、真空度などの条件を種々変化させ施し、得られた試料の機械的性質を評価し、多層構造物とした薄膜の強度評価を行い、次のことを明らかにした。 多層構造物とした薄膜の疲労強度試験を行った結果単独薄膜のみの場合のものより疲労き裂の発生は遅れ、なおかつき裂伝ぱ速度も遅くなっていた。この疲労寿命及び疲労き裂伝ぱ特性の向上には基板(今回は12%Crステンレス鋼)に残留しているひずみないしは応力が大きく影響していた。 また、X線マイクロラウエカメラを用いて基板のX線デバイリングの測定及びX線プロファイル解析を行うことにより微視的格子ひずみ、転位密度を求め基板の非破壊的な評価法を確立した。この手法により基板の最適熱処理条件が決まりコーティング後の機械的性質も安定したものが得られるようになった。また、最適なコーティング条件を効率よく的確に決定することも可能となった。この結果の一部はX線解析を主体に後述の研究業績として発表した。 基板とコーティング層との界面近傍をX線解析した結果、複数の化合物層で形成されており複雑な様相を呈していた。また、この界面近傍の化合物の生成には基板上の表面酸化層の有無が強く影響を及ぼしていることが明らかとなり、表面酸化層の最適厚さが存在していた。この最適厚さをX線光電子分光分析装置(XPS)及びX線マイクロラウエカメラを用いて測定評価する技術も本研究で初めて確立された。 以上の研究結果から、機械的性質が最適であるコーティング薄膜作成条件を決定することができるようになり、製造プロセス確立のための多くの有用な知見を得ることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)