Project/Area Number |
05806018
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食品科学・栄養科学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩渕 せつ子 東北大学, 農学部, 助手 (50089794)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | β-コングリシニン / 変性 / 表面疎水度 / 光アフィニティーラベル / 二次機能 / 脂肪酸塩 / 大豆タンパク質 |
Research Abstract |
タンパク質の機能性はその表面構造によるところが大きい。大豆タンパク質は他のタンパク質に比べて表面疎水度(So)が小さいため、二次機能を十分に発揮できず、利用拡大を妨げる一因となっている。一方、大豆タンパク質は変性温度(Td)が高いのに加えて、加熱時の変性過程が可逆的で、冷却後には元のリジドな構造を再生し易い性質を有する。そのため加熱だけで望ましい表面構造に改変することは困難と考えられたが、これらの間の相関を明らかにできる実験的根拠が少ないのが現状である。本研究では大豆コングリシニンを使って表面構造の改変を試み、以下の様な知見を得た。 1)光アフィニティラベルを応用し、高温下(〜90℃)で分子内部から露出した疎水領域を、光を当てることにより瞬間的に架橋させ、表面疎水度の増加を計った。ANB-NOSやSulfo-SANPAHによるラベル化とサブユニット間架橋が進行しているのがSDS-PAGEで確認できた。しかしこれらのラベル化コングリシニンは300nm付近にE値の大きい吸収帯を示したため、分子構造上の変化を分光学的手法(UV差スプクトル、cis-パリナリン酸によるSo価の測定、チロシンの滴定曲線)で解析することができなかった。 2)加熱以外に表面構造を段階的に変える方法として、脂肪酸塩を用いてコングリシニン分子に微弱な変性処理を試みた。炭素鎖長の長短、平衡濃度を適宜選択すると、任意の表面疎水度を持つコングリシニン試料を作成できた。これらのタンパク試料の有する二次機能について乳化性との関係を測定した。加熱変性試料と同じ程度のSoを持つ脂肪酸処理試料とを比べると、後者の方が前者の3-4倍の乳化容量を持つことを明らかにできた。今後、本研究をさらに発展させ、本来大豆タンパク質が内蔵する機能で、これまで知られていない未利用の機能を引き出したいと考える。
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