遺伝子導入ES細胞を用いたマウス胚初期発生におけるサイトカインの役割の研究
Project/Area Number |
05807010
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 正明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50230008)
井上 達 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50100110)
豊田 裕 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90050418)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ES(胚幹)細胞 / 遺伝子導入 / サイトカイン / レセプター / LIF / 6M-CSF / IL-3 / Id |
Research Abstract |
1)LIF遺伝子導入ES細胞 ES細胞3A-1にmouse LIF cDNAを安定導入し、LIF高発現クローンおよび低発現クローンを得た。高発現クローンはLIF非添加で培養してもES細胞の分化は起こらなかったが、低発現クローンはLIF非添加で培養することにより分化が誘導された。これはLIFがオートクラインに働いてES細胞の分化を阻害しうることを示している。LIF低発現および高発現クローンをblastocystにインジェクションしキメラマウスの作成を試みた。高発現クローンからはキメラマウスは得られなかったが、低発現クローンからはキメラマウスが得られ、LIFはin vivoでも初期胚の分化を阻害しないことが示唆された。このキメラマウスは下腹部に高頻度に腫瘍を発生し、生後数週間で死に至った。病理学的解析により、腫瘍はテラトーマであることが明らかになった。 2)ヒトGM-CSFレセプター遺伝子導入ES細胞 ヒトGM-CSFレセプターα,β鎖cDNAを導入し、発現するES細胞を構築した。このES細胞はヒトGM-CSFによりわずかに細胞増殖が促進され、MAPキナーゼリン酸化が誘導された。しかしヒトGM-CSFによりLIFのような分化抑制効果は認められなかった。現在これらのクローンを用いてGM-CSFとLIFの細胞内シグナル伝達経路の解析を行なっている。 3)Id遺伝子導入ES細胞 Idはb-HLHタンパク質と相互作用をすることにより分化抑制に関与していることがいくつかの系で報告されている。ES細胞の分化調節に対するIdの影響を検討した。LIF非添加培地で分化誘導するとId1,2,3いずれのmRNAレベルも一過性の低下を示し、その後もとのレベルに復した。次いでId1 cDNAを導入し、高発現したES細胞を作成した。これらのES細胞はLIF非添加培地で分化が誘導された。現在、これらのクローンを用いてLIFの分化抑制シグナルとIdの関連を解析している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)