Project/Area Number |
05807024
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
石浦 正寛 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (20132730)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ジフテリア毒素 / EF2 / 酵母 / 生物発光 / ルシフェラーゼ / 遺伝子発現 / 藍色細菌 / luxAB |
Research Abstract |
ジフテリア毒素(DT)やシュウドモナス・エルギノーサ外毒素A(PA)は、タンパク質合成のペプチド鎖伸長因子2(EF2)分子のADP-リボシル化ドメインに存在するヒスチジン残基の誘導体であるジフタミド残基をNAD存在下でADP-リボシル化することによりEF2を不活化し、タンパク質合成の阻害をもたらして細胞を死に至らしめる。ジフタミド残基は今のところEF2でのみその存在が確認されている。EF2のジフタミド残基とその近傍のいわゆるADP-リボシル化ドメインのアミノ酸配列は、細胞性粘菌からヒトに至る全ての真核生物と、真核生物型のタンパク質合成系を有することが知られている古細菌においてよく保存されており、この領域はEF2機能の発現・調節において生理的に重要な働きを荷負っているものと推定される。リボソームで合成されたEF2前駆体は、ヒチジン残基がたぶん細胞質で修飾を受けて最終的にジフタミド残基を持つ成熟型EF2分子に変換されるものと考えられる。しかしながら、EF2機能の発現・調節におけるジフタミド残基の働きやジフタミドの生合成はほとんど解明されていない。 EF2遺伝子の発現を酵母で連続自動測定する目的で、これまでバクテリアのシフェラーゼ遺伝子luxABの融合遺伝子を遺伝子発現のリアルタイムレポーターに用いることを検討してきた。既に我々はluxAB遺伝子が原核生物である藍色細菌では生物時計のリアルタイムモニタリングのための非常に優れたレポーターとなりうることを明らかにしている(Kondo et al.,1993.Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.90:5672-5676)。さらに、寒天培地上のコロニーから直接生物発光リズムを連続的に計測することにも成功した(Kondo,T.and Ishiura,M.1994.J.Bacteriol.,in press;文献記載論文)。このことは、遺伝子発現を直接コロニーレベルで連続測定できることを意味している。既に我々は、酵母のGAL1-10プロモータの下流にluxABの融合遺伝子を連結し、酵母に遺伝子移入した。細胞をガラクトース存在下で培養し、GAL1-10プロモータを活性化することにより、luxABの融合遺伝子が発現して融合ルシフェラーゼが合成され、発光基質n-decanalの存在下で生物発光が生じることを確認している。n-decanal飽和条件下での光電子倍増管による測定では、顕著な生物発光が観察されるが、リアルタイムモニタリング条件下での冷却CCDカメラでは測定困難であった。そこで光電子倍増管を最高感度のものに換え、さらに計測をフォトンカウンティング化して、計数効率を100倍上げることにした。発光基質を制限したリアルタイムモニタリング条件下でも測定可能な発光レベル得ることができた。現在、酵母のコロニーで直接生物発光を測定するために、冷却CCDカメラの測定感度を上げることを検討している。
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