Stunned myocardiumにおける代謝酵素の関与についての検討
Project/Area Number |
05807058
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野原 隆司 京都大学, 医学部, 助手 (80180769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 長良 京都大学, 医学部, 講師 (30171888)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | Ischemia / Dichloroacetate / Stunning / _<99m>Tc-PYP / Metabolism |
Research Abstract |
Dichlor acetate(DCA)は乳酸アチドーシスを改善し、pyruvate dehydrogenaseをactivateする。我々はこの薬剤により、虚血後のstunning(うちのめされ心筋)の改善効果があるかどうかを動物実験により確認した。開胸犬13匹により10分虚血を2回、1時間の間隔をおいて繰り返した。前下行枝の閉塞、再潅流を行い、前壁の壁運動をエコーにより確認した。また前下行枝と中心静脈より経時的採血を行い、エネルギー代謝物のextractionを計算した。この結果、コントロール10匹と比較して次の結果を得た。(1)コントロールでは10分間虚血によりstunningが作成され、2回の繰り返し虚血によりさらにこれが増悪した。(2)このstunningはDCAの前投与により、明かに改善を示した(前値の85.0%,p<0.05vsCont)。(3)pHについては全経過中、コントロールとDCA群で差を認めなかった。(4)さらにglucose,NEFA,lactateのextractionは、DCA群でコントロールに比してglucoseのextractionが増加している。NEFAは抑制された。またlactateについては、DCAにより動脈系の濃度が極めて低値に抑制され、extractionとしては低値に保たれた。計算上の酸素代謝へのこれらの代謝物の寄与率は、コントロール群が全経過を通じてNEFAが高かったのに比して、DCA群では、冠閉塞中のglucoseの寄与率が1回目、2回目ともNEFAをしのぎ、主要なエネルギー源となった。また再潅流後もNEFAより低いもののコントロール値より高い値を示した。(5)^<99m>Tc-PYP(pyrophosphate)のuptake ratioをみると、DCA投与により明らかにこのuptakeが抑制された。[結果及び考察]DCAは虚血再潅流時のNEFA主体のエネルギー産生から、glucose主体のエネルギー産生にスイッチしてstunningを改善した。さらにsarcolemmnaのCa^<++> permeabilityに関与するphospholipidの障害を示す^<99m>Tc-PYP uptakeが抑制された。よってこの短時間虚血による障害がDCAで明らかに防御されることを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)