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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
成長ホルモン分泌不全(GHD)の診断における血中insulin-like growth factor binding protein 3(IGFBP-3)測定の有用性について検討した.対象は身長-2SD以下の低身長児257名で,古典的GH分泌不全症(CGHD)12名,部分的GH分泌不全症(PGHD)61名,非内分泌性低身長(NESS)184名に分類して検討した. IGFBP-3値はそれぞれCGHD 1.27±1.02;PGHD 2.53±1.25;NESS 2.16±1.14mg/l(mean±SD)と,GHDの重症度と平行したIGFBP-3の低値を認めた.血中IGF-I値とは直接法,抽出法とも正の相関を認めた.また,夜間入眠時3時間平均GH濃度とも正の相関を認めた.年齢分布では正常児に比べて低値の傾向はあったが,低身長児においても正常児同様低年齢から思春期に近い値を示した. GHD診断における有用性を検討するため,IGF-I(成長科学協会の基準)単独,IGFBP-3(-2SD以下)単独,IGF-I+IGFBP-3(いずれかが低値)でGHDのスクリーニングを行うと,それぞれCGHD92.8,92.8,100;PGHD 52.4,54.0,68.8;NESS 18.4,41.8,47.8%がGHDとしてスクリーニングされた. 以上より,血中IGFBP-3濃度はGHの分泌不全状態を良好に反映していると考えられ,従来のスクリーニング法に加えIGFBP-3を併用することによりGHD児の鋭敏なスクリーニングが可能になると考えられた.なかでも,低年齢の時点から思春期に近い濃度を示すことから,特に就学前のGHD児の早期発見に有用と考えられた.
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