生体分解性高分子マイクロスフェアによる網膜色素上皮細胞への薬物ターゲティング
Project/Area Number |
05807163
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 京都大学, 医学部, 助手 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 美代 京都大学, 医学部, 講師 (30144380)
吉村 長久 京都大学, 医学部, 講師 (70211662)
本田 孔士 京都大学, 医学部, 教授 (90026930)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 生体分解性高分子 / マイクロスフェア / 網膜色素上皮細胞 / 貪食 / 薬物ターゲティング |
Research Abstract |
我々は、蛍光色素であるローダミン6GXを含有する種々の生体分解性高分子からなるマイクロスフェアを作成し、培養ウシRPEに投与してそれらの細胞内色素放出を検討した。 L-乳酸またはDL-乳酸からなる高分子で分子量の異なるものそれぞれ2種類、L-乳酸からなる高分子で分子量5000であるPLLA-1と同じ分子量でありグリコール酸とL-乳酸との共重合体で組成比率の異なる2種類、合計6種類の生体分解性高分子を用いてマイクロスフェアを作成した。作成方法としては液中乾燥法を用いた。 PBS中でのマイクロスフェアからの色素放出を蛍光分光度計を用いて30日間測定した。 マイクロスフェアに対するRPEの貪食性を3から4代継代したウシRPEを用いて検討した。位相差顕微鏡、蛍光顕微鏡及び透過型電子顕微鏡を用いて貪食を確認した。貪食されたマイクロスフェアからの細胞内での色素放出を経時的に蛍光顕微鏡を用いて観察した。 結果として、分子量が大きいもの程放出が遅く、同じ分子量でもグリコール酸とL-乳酸との組成比率により色素放出が異なることがわかった。また、50/50の比率のものが一番放出が速く、ポリ(L-乳酸)よりポリ(DL-乳酸)の方が放出が速いという結果が得られた。位相差、蛍光顕微鏡および透過型電子顕微鏡写真で細胞内にマイクロスフェアが認められ、貪食が確認された。6種類のマイクロスフェアに対する貪食性に関しては、6種類の間では有為差は認められなかった。その貪食は時間とともに増加した。細胞内でも高分子の種類により色素放出が異なることが確認された。 まとめると、生体分解性高分子の分子量および組成比率を変えることにより、マイクロスフェアからの色素放出を制御することが可能であった。マイクロスフェアは経時的にRPEにより貪食され、色素を細胞内に放出することが確認された。 以上より、薬物を含有する生体分解性高分子をRPEに貪食させることにより、効率よく薬物を細胞内に運搬し、細胞を薬理学的に修飾できる可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)