脳内情報処理過程における大脳連合野の役割りの電気生理学的研究
Project/Area Number |
05831004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
認知科学
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
山口 修平 島根医科大学, 医学部, 講師 (80135904)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 事象関連電位 / P300 / 大脳連合野 / 選択的注意 / mismatch negativity / 視空間的注意 / 体性感覚 |
Research Abstract |
事象関連電位(ERP)を指標として、脳内情報処理過程における大脳連合野の関与について検討した。まず後期成分であるP300成分に関しては、これまで明らかでなかった視覚性P300の発生源として、後頭葉連合野が関与する事を一過性全健忘の患者で明らかにした。さらに前頭葉機能低下があるパーキンソン病でnovelty P3の低下を、アルツハイマー病ではtarget P3の頭頂後頭部での低下を認め、P300成分の出現に大脳連合野の関与が大きいことを変性疾患においても証明した。ERPの早期成分のうち聴覚のmismatch negativityに関しては、その電位の頭皮上分布をcurrent source density analysisにより検討した。その結果これまでの結果と同様、両側側頭葉の聴覚領野あたりに主たる発生源が推定された。さらに新奇刺激に対する陰性電位に関しては、上側頭回に加え前頭連合野でも電位が発生している事を明らかにした。次に体性感覚刺激誘発電位に対する選択的注意の検討では、刺激後80msec辺りより出現する陰性電位に対して対側の頭頂連合野が関与する事をcurrent source density analysisにより明らかにした。さらに視空間的注意の随意的な移動に伴うpotential associated with shifting attentionに関しては、電位の経時的な頭皮上の移動様式の検討から、早期には対側半球の頭頂後頭連合野、引き続いて前頭連合野、その後右半球の側頭頭頂連合野と言ったように経時的な関与部位の移動が推定された。従って視空間性注意の移動に関しては、複数の大脳連合野が異なった時間経過で関与する事が明らかとなったた。今後さらに局所脳病変患者における検討を行なう予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)