Project/Area Number |
05833007
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
惑星科学
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 憲正 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20183808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 惇平 東京工業大学, 生命理工学部, 教務職員 (00134817)
土屋 正彦 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40010756)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 惑星探査 / アミノ酸 / アミノ酸前駆体 / 無生物的合成 / 火星極冠 / 彗星核 / 化学進化 / 生命の起源 |
Research Abstract |
惑星大気、彗星核などの地球圏外環境下でどのような有機物が生成可能かを調べ、将来の惑星・彗星中の有機物探査のターゲットとなりうる有機物およびその分析法を提案することを目的として実験を行った。 1.種々の惑星大気を模した混合気体にヴァンデグラフ加速器(東京工業大)からの陽子線を照射し、有機物の生成条件を調べた。 (1)炭素源として一酸化炭素またはメタン、窒素源として窒素またはアンモニアを加えたいずれの場合にも種々のアミノ酸(またはその前駆体)が高収率で生成することがわかった。二酸化炭素を主とする模擬火星大気に陽子線を照射した場合も、微量成分の一酸化炭素・窒素などからアミノ酸前駆体が生成した。このことは、火星大気からもアミノ酸前駆体が生成し極冠に濃縮されている可能性を示唆する。 (2)模擬惑星大気への陽子線照射生成物中の核酸塩基などの複素環塩基の分析法を検討した。イオン交換樹脂を用いた前処理法と逆相およびイオン交換HPLC法を組み合わせることにより簡易定量が可能であることがわかった。種々の塩基の中でイミダゾールの生成が容易であることがわかった。 2.彗星の核を模した一酸化炭素(またはメタン)・アンモニア・水からなる「氷」を作成し、これに陽子線を照射した。生成物中の難揮発性成分を加水分解したところ、グリシンなどのアミノ酸の生成が認められた。このことは彗星核中に宇宙線の作用によって生成したアミノ酸前駆体が存在することを強く示唆する。 3.以上の結果から、近い将来に予定される惑星探査において、火星極冠中や彗星核あるいは彗星由来の小惑星中のアミノ酸前駆体やイミダゾールが探査のターゲットとして興味深いことがわかった。今後は、紫外線など他のエネルギーの寄与、有機物の定量的な考察、実際の探査の際の検出法なども含めて研究を継続する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)