Project/Area Number |
05836005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
非線形科学
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 啓仁 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80008044)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | カオス / 機械システム / 統計力学 / 同期 / システム同定 |
Research Abstract |
従来から、カオスの取扱いに関しては、スペクトル法をはじめとして種々の手法が提案されており、その有効性は種々の数値実験によって確認されている。ところで、これらの手法とは別に、既に統計力学的な立場からの取扱いを提案し、数値実験によってその有効性を検討してきたが、本研究は、物理的に実現された機械システム上に発生する実カオスに対してもその有効性を保ち得るか否かを実データを対象に実験的に検討するものである。5年度は、実験的な研究を行うための準備期間とし、以下の研究を行った。まず、本研究で用いる手法の一つである統計力学的手法の改良を考えた。この手法は、当初、対象となるシステムの数式表現を必要とした。しかし実システムの数式表現を得る事は困難であるとの立場から、本手法に必要な局所的軌道拡大率を時系列データから最小自乗近似する事を考えた。これによって、システムの運動方程式が未知の場合でも、既知の場合と同様の結果が得られる事を、具体的な数値例とともに示した。一方、実験によって得られた結果の妥当性の評価は、数値シミュレーションによって得られた結果との比較検討によって行う予定である。そのためには、実験装置として実現された力学モデルと、その近似モデルとしての数値モデルとを明確に関連ずけるための手法が必要不可欠である。カオスシステムの同定は、非線形のシステム同定問題として解かれるが、既存の同定法には、問題となる挙動がカオス領域にあっても充分有効であるようなものは存在しない。そこで、同期カオスを応用した新たな同定法を提案した。この手法を用いれば、システムの位相面軌道さえ判れば同定された近似モデルの近似精度を、同期カオス規範なる新たに定義した指標をもとに,カオス領域で定量的に評価する事が可能である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)