Project/Area Number |
05851009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 真 大阪大学, 人間科学部, 助手 (50231478)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 情動 / コミュニケーション / 表情 / 状況 |
Research Abstract |
表情は、相手の状態を知るときの最も重要な情報源であり、特定の情動を示すいくつかの表情は文化に普遍的であるといわれている。表情を通した情動コミュニケーションについての先行研究では情報源として表情のみを取り上げることが多かった。しかし、実際のコミュニケーション場面では、表情以外にも多くの情報源が利用可能である。研究表代表者の行った先行研究の結果、情動の判断に影響を与える情報として「状況(コミュニケーションに参与するものを取り巻く物理的・社会的環境)」が見いだされた。つまり、本当の情動を表出しやすい「私的状況」とそうではない「公的状況」とでは、情動の判断における表情の相対的重要性が変化することが分かった。また、昨年度の研究の結果、公的状況よりも私的状況においての方が表出量が多く、状況が実際の表出行動に影響を与えていることが確かめられた。 本年度は、上述した先行研究のレビューに基づいて、情動判断モデルを構築する必要性について理論的に考察し、雑誌論文にまとめた。実験においては、他者の情動の判断において、表情と自己報告(自分自身の感情状態の報告)とのいずれが重要であるか、また、この相対的重要性に「状況」がどのような影響をあたえているかを検討した。その結果、一般に、表情は自己報告よりも重要な情報源であることが確認された。しかし、「状況」の効果については、十分な被験者を得ることができず今後さらに検討を進める必要がある。 現時点では、基本的情動を表す表情を演技してもらいそれを写真に撮影するという方法で、表情の作りやすさや演技の成績に、「状況」がどのような影響を与えているかについても検討を進めている。
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