Project/Area Number |
05851012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
中川 敦子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (90188889)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ラテラリティ / 語い検索 / プライミング / 注意 |
Research Abstract |
これまでの実験結果(Nakagawa1991:in press)から言葉の視覚的符号化と意味的符号化における左右半球機能分化について以下のことが示唆されてきた。大脳半球後部が関わっているであろう視覚的符号化においては、文字体系によって左右半球の関与の仕方が異なる。すなわち、左右視野に示される刺激が有意味語か否かの判断においては、アルファベットでは有意な左半球優位、漢字1文字では有意な右半球優位が観察されたが、漢字2字熟語では有意な半球差は認められなかった。一方、大脳半球のより前部が関わっているであろう意味的符号化においては、アルファベット、漢字1文字、漢字2文字熟語で同様な左右半球の非対称性が観察された。すなわち、ある言葉(プライム)が与えられてから左右視野提示の刺激について有意味語か否かの判断を求められた場合(語たく判断課題)、プライムと関連の弱いあるいは関連のない刺激への反応の遅れは文字体系の違いに関わりなく左半球のみで観察された。これは、プライムによって意味のネットワークが自動活性化した後、右半球はその活性化を維持する役目を、左半球は関連の弱いものの活性化を次第に抑制し意味を選択していく役目を担うことを示唆する。 本研究では仮名表記語を刺激語に用いて、Nakagawa(1991)と同様なプライミング条件を設定した一側視野瞬間提示の語たく判断課題を行った。その結果、言葉の視覚的符号化では文字体系により左右半球の重要性が異なるが(平仮名では左半球優位の結果となった)、意味的符号化においては文字体系の違いにかかわりなく左右半球が一定の役割を担うことが確認された。
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