Project/Area Number |
05851045
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
近藤 祐一 南山大学, 外国語学部, 講師 (80178433)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 異文化コミュニケーション / 外国人留学生 / 異文化適応 / 異文化教育 |
Research Abstract |
今年度の研究は、昨年に引き続き留学生へのコミュニケーションパターンの差についてのアンケートの取りまとめとその発表のための準備を行なった。アンケートは、特に回答数の多かった中国人(中華人民共和国)と韓国人学生についてのみ分析を行ない、以下の知見を得た。 今回のサンプルでは、礼儀、偏見、依存の範疇において母国と日本の間で教職員とのコミュニケーションの差が見られた。これについては、中国人留学生のみが、日本における教職員に対する礼儀を母国よりも重く見ている。偏見の項目では、特に韓国人留学生に母国におけるコミュニケーションと日本に於けるコミュニケーションの差が見いだされた。また、同項目のなかで、価値観の相対性を聞いた質問では中国人留学生が、有意差を示した。最後の依存の範疇では、中国人留学生が強い自己依存性を示した。 さらに、留学生が日本人教職員とコミュニケーションするときに感じることとして、6項目(言葉の壁、人間関係の質、共通性、平等性、コミュニケーション不安、留学生へのアプローチ、柔軟性)の質問群を設定した。これらにおいてはそれぞれ、母国と日本の間での差が見られ、留学生が適応を随所でしなければならないという状況を的確に示した。 本研究のまとめとして、留学生は、それぞれの文化の反映としての異文化コミュニケーションを行っていることも統計分析を通して明確ではないにしろ証明できた。さらに、全般的に教員に対してのコミュニケーション不安がみられた。 この研究は、ミクロ的な立場でどうコミュニケーションパターンが個々の文化で違い、それがどう日本人との異文化コミュニケーションに影響を及ぼすのかを知るための基礎研究であった。回答数不足のため今回は中国と韓国のみの比較であったが、助成金終了後も他の文化圏との比較をさらに進めて行く予定である。
|