Project/Area Number |
05851055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
飯島 みどり 岐阜大学, 教養部, 講師 (20252124)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エルサルバドル / 満洲国 / エルナンデス=マルティネス,M. |
Research Abstract |
1.今年度は日本・エルサルバドル関係の端緒を成す、エルサルバドルの満洲国承認問題に絞って関係史料の探索収集を進めた。まず補助金を充当して、米国国務省外交文書(1930〜40年代)の対日・対中南米(エルサルバドル含む)記録の部や、エルサルバドル官報(1930年代)を購入した。これらの史料え精読整理する作業により、当時の日・米・エルサルバドル三国関係を律する基本的な構図が得られる。 2.同じく補助金を利用し、東京の外務省外交史料館へ赴き、日本側に残る関係文書の閲読を継続した。その中で、名古屋を拠点とする対中南米輸出業者組合が、既に昭和11年頃からエルサルバドルに強い関心を有していた事実が判明した。申請時に予定していたものの今年度着手できなかった東海地区繊維業界関係者への聞きとり調査は、早くから日本側に生じていたこのような利害関係の考察 と組み合わせることによって、両国関係のより立体的な肉づけに役立つはずであり、なるべく早急に実現させたい。 補助金対象外ではあるが、夏期に海外研修(約20日間)を行ない、米国議会図書館、同公文書館およびエルサルバドル外務省文書課において関係史料の閲覧を開始した。エルサルバドル外務省の保存体制の不備は国情上やむを得ないが、それでも1930年代の通商関係を中心に貴重な文書数点が見つかった。それらは日本側の熱意とは裏腹に、エルサルバドル政府が対日通商に消極的であったことを明示している。また米国議会図書館では、満洲国承認に関するエルサルバドル側の「公式見解」を記した冊子を発見した。これまでのところ本件をめぐる唯一のまとまった印刷史料であるため、史料紹介を兼ね、第一次まとめとなる論考を作成する予定である。
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