Project/Area Number |
05852002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 忠生 京都大学, 法学部, 助教授 (30183768)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 知的所有権 / ロイヤリティ / 移転価格税制 / 482条 / スーパー・ロイヤリティ / 利益分割 / 独立当事者間取引 / アームズ・レングス基準 |
Research Abstract |
アメリカにおける1986年税制改革において内国歳入法典482条の追加として制定されたスーパー・ロイヤリティ・ルールを具体化するルールとして、1992年の規則案(Proposed Regulation)に続き、93年1月には暫定規則(Temporary Regulation)が公表された。暫定規則では、知的所有権を無形資産(intangibles)として捉え、無形資産の価値が同等の独立当事者間取引から直接算定できる場合を除き、無形資産がもたらす利益を類似する企業の利益率に基づいて移転価格を算定する方法(Comparable Profits Method)が取り入れられ、さらに、暫定規則と同時に公表された新たな規則案では、関連当事者間取引に係る事業活動からの利益を各関連当事者の貢献の度合いに応じて分割するという利益分割法(Profit Split Method)がはじめて本格的に導入された。このような動きから明らかであるのは、移転価格算定における価格から利益へという流れである。移転価格税制は従来適正な価格を算定する制度であるとされてきたが、利益の分割というアプローチは、課税管轄権間での所得の分配という移転価格税制の本質を現わすものといえる。 無形資産の問題は、多国籍企業の存在理由のひとつである。すなわち、知的所有権の使用を非関連者に対して認めることの危険を回避することはもとより、多国籍企業としての活動自体が国外で形成されたマーケティング無形資産等を背景とした一定の利益(super profit)を生み出すといえる。この観点からは、多国籍企業の生み出す利益を管轄権間に適正に分配するためには、従来の独立当事者間取引基準は、多国籍企業の持つ無形資産の要素を考慮し得ないため適当ではないといえる。したがって、価格から利益へという流れは今後も続くものと考えられる。
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Report
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Research Products
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