ドイツロマン主義経済学の代表者であるアダム・ミュラーの経済思想の研究
Project/Area Number |
05853004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済理論
|
Research Institution | Yokkaichi University |
Principal Investigator |
原田 哲史 四日市大学, 経済学部, 助教授 (70208677)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 経済思想史 / 経済学史 / 社会思想史 / ロマン主義 / 保守主義 / アダム・ミュラー / アダム・スミス / ヘーゲル |
Research Abstract |
アダム・ミュラーの経済思想を彼の主著『国家学網要』(1809)を中心として論じた次の3つの論文を作成(および発表)することが、本年度の研究実績となった。 (1)Uber"romantische"Ausgleichsmechanismen bei Adam Muller 中世の農業・工業の「均衡」的成長を理想として、近代化における工業の突出を批判するミュラーの論理を明らかにした。ドイツで最も権威ある学術雑誌の一つ"Jahrbucher fur Nationalokonomie und Sratistik"(創刊1863年)への掲載が決定(94年3月掲載)。 (2)アダム・ミュラーにおける自由「抗争」と「均衡」-スミスへの接近と批判- ミュラーの自由論を明らかにして、従来の研究でスミス批判ばかりが強調されたミュラーの思想にもスミスへの接近が見られることを、日本の研究との関連を考慮に入れつつ明らかにした。作成にあたっては、日本を代表するスミス研究者である水田洋氏から、専門的知識の提供を受けた。『四日市大学論集』への掲載が決定(94年3月掲載)。 (3)ミュラーとヘーゲル -職業団体と統治権に着目して- ミュラーの国家経済思想を哲学者ヘーゲルのそれと対比して論じた。ミュラーの方が保守主義的ではあるが、ヘーゲルよりも分権主義的であることを明らかにした。作成にあたっては、ヘーゲル経済思想の研究における権威である高柳良治氏より専門的知識の提供を受けた。現在『社会思想史研究』(社会思想史学会編)への掲載について審査中。 以上、全体として一応の成果をあげることができた。残念なことは、研究のプロセスで『国家学網要』が湯予想以上に内容的に深いものであることがわかり、それに研究のウェイトを置かざるをえず、他のミュラーの著作(『貨幣新論の試み』『ドイツ国家広報』)に関して充分には論ずることができなかったことである。この点が今後の課題である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)