Project/Area Number |
05853020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
〓 林瑜 大阪市立大学, 商学部, 助教授 (40236964)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | メインバンク / エージェンシー・コスト / 過剰調達 / 過剰投資 / 所有権制約 / 役得 / リスクの分担 / 情報非対称性 |
Research Abstract |
本研究では、理論と実証の両方から日本企業の相互株式持ち合いの歴史的役割と今日での問題点が分析され、以下の結論が得られた。 日本経済の高度成長期においては、6大企業集団内の企業をはじめとする企業間相互株式持ち合いは、企業経営の安定化、産業資本の蓄積、金融費用(情報費用も含む)の節約と経営リスクの低減に貢献したと考えられる。これは従来の多くの研究が明らかにした評価でもある。しかし、企業の成長機会が少なくなった今日においては、株式持ち合いは、上述の機能が薄くなり、かわって所有権制約の弛緩による監督者不在と資金制約の弛緩による過剰投資をもたらし、経営者による経営のエージェンシー・コストを増加させている。 株式持ち合いの弊害は、それが現在の経済状況に適合しなくなったことを意味している。企業間の長期的提携関係を維持しながら、企業間の株式持ち合いの比率を減らし、株式の個人所有者層の拡大とそれに伴う所有者による監督メカニズムの確立を図ることが今後の課題である。 しかし、株式市場が低迷し、株式の相互持ち合い比率も低下する傾向にある今日においては、いかにして株式の法人所有者をとって替わるための個人投資家を株式市場に呼び戻すかについては、そのための法整備と税制改正等を含め今後の研究課題にしたい。
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