生物個体群の群れ形成ダイナミクスに関する数理モデル研究
Project/Area Number |
05854009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
瀬野 裕美 広島大学, 理学部, 講師 (50221338)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 数理生物学 / 群集 / パターン / 進化 / 群れ / 数理モデル |
Research Abstract |
1.タンガニイカ湖カワスズメ稚魚個体群のつくる集合パターンに関する観察データ(滋賀県立琵琶湖博物館準備室中井克樹による)をポテンシャル場における密度依存型拡散係数をもつ拡散方程式モデルによって解析し、稚魚の持つ内的性質を議論、生態学的問題点を提起した。その結果は、論文として出版予定である。 2.生物群集の構造特性を反映するランク-サイズ関係に関する数理モデルをn次元密度依存型拡散方程式系によって構成し、その解析によって、複数のう生物種からなる群集において観測されてきた既知のランク-サイズ関係を数理的に理解することを試みた。結果を論文として出版した。 3.「群れ」という形態が進化的に選択されうることを示す数理モデル解析を行なった。特に、捕食効率を下げるという利点で餌食集団の群れ形成が進化的に安定に存在しうることを確率過程(特に、first passage problemの理論の応用,フラクタル理論の応用)による数理モデルによって示し、研究会で発表するとともに、論文として発表した。 4.パッチ状の環境下で空間的群れ構造をとらざるを得ないような生物個体群にとって、環境条件の不均質化がどのような影響を与えうるかをn次元常微分方程式系による移住モデルの定常解の固有値解析をもとに議論した。その成果は論文として出版予定である。 5.群れサイズが増大して行くダイナミクス、複数の群れの増殖ダイナミクスに関する数理モデルを最適化問題,von Foester方程式を応用して構成し、それらの解析を進行中であり、1993年11月ドイツ・オ-ベルヴォルファで開かれた数理生物学研究会においてその一部を発表した。生物群集のランク-サイズ関係に関しては、観測されてきた既知のランク-サイズ関係が、数理的には、非常に限られた条件でのみ実現しうることが示されている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)