Project/Area Number |
05854026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冨田 誠 静岡大学, 理学部, 助手 (70197929)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 時間スペックル / ランダム媒質 / トモグラフィー / 長距離相関 |
Research Abstract |
本研究の目的を達成するため以下の理論的・実験的研究を行った。 1.実験システムとして、現有品のTAC(Time to Amplitude Converter)を基本とした、本研究で新しく提案する「時間スペックル」を観測するシステムを完成させ、予定どうりの性能で時間スペックルを観測した。 2.さまざまなスペックル計測を新しく時間領域に拡張するために、従来からの空間スペックルをも含む形で、時間スペックルの理論を定式化した。この結果、従来の空間スペックルと時間スペックルの対応関係を明らかにすることができた。 3.時間スペックルをトモグラフィーに応用する例として、多重散乱物体中の特定の散乱体の動きによって時間スペックルの形がどのように変化するかを、拡散方程式と、モンテカルロ法によるシミュレーションで解析した。この結果、時間分解することによって新しい情報が得られることが確認できた。また、このような考え方を実証する目的で、固体の多重散乱物体中にブラウン粒子を埋め込み、物体の外部から観測するスペックルの動きから、このブラウン粒子の位置が決まられることを実験的に確かめた。 4.上記(3)の応用研究と合わせて、基礎物理的現象として、ランダム媒質中を伝播した波動に現れる「長距離相関」を新しく時間分解して調べた。 5.以上の研究から、多重散乱領域に現れる「時空間スペックル」の利用は、ランダム系での波動現象に関する基礎物理的研究、また応用計測においても極めて有用であることが実証された。今後上記、4.の「長距離相関」に関してより詳しく解析する予定である。
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