Project/Area Number |
05854028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 千博 大阪大学, 理学部, 助手 (10230509)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 衝撃波 / 放射線損傷 / 石英ガラス / ESR / パルスESR / 電磁レールガン / クレーター形成 / 陽電子消滅法 |
Research Abstract |
衝撃波によって生成する衝撃変成相や高圧相の物性は、固体惑星科学、極限物性の両面から興味深く、放射線欠陥の挙動との関連から議論した研究は数少ない。 本研究では、主に、宇宙科学研究所の電磁レールガンを用いて、高速衝撃-隕石衝突シミュレーション実験を行い、クレータ形成にともなう放射線欠陥の挙動に関し、以下の新たな知見を得た。 1)衝撃アニーリングの検証: 電子スピン共鳴法を用いて、自然放射線による放射線損傷量からクレーター形成年代測定するために必要な条件である「衝撃アニーリング」の検証を行った。あらかじめ、gamma線線量〜30kGy程度を照射した石英試料では、秒速7km(〜40GPa)の衝撃点近傍で、100%の常磁性格子欠陥のリセットが確認できた。 2)放射線欠陥生成率の変化 衝撃履歴を持った石英ガラス試料の、E'中心と呼ばれる放射線欠陥生成率が、未衝撃のものの3分の2程度に減少することが分かった。この原因として、衝撃による微細結晶化が進んだことにより、E'中心の母体である酸素空格子が減少したことが考えられた。 3)衝撃変成度の測定 パルスESR法および陽電子消滅法を用いて、衝撃石英および石英ガラスを測定した。その結果、特に陽電子消滅法によって、寿命の長いo^-ポジトロニウム成分が衝撃後において長くなり、結晶質石英が衝撃によって、石英ガラスとの中間状態にあることが分かった。 4)静水圧合成試料の放射線欠陥 アンビルを用いて石英高圧相試料を作成し、その放射線欠陥を調べた。衝撃実験においても、かなり高圧相ができる条件があることが判明したため、今後は衝撃高圧相の物性を調べていく計画である。
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