Project/Area Number |
05854051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 央 京都大学, 理学部, 助手 (40231485)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マンガン錯体 / 酸素発生 / カタラーゼ活性 / 光合成モデル |
Research Abstract |
(1)Schiff塩基型大環状配位子を用いた一連のマンガン二核錯体の合成を行った。X線構造解析によって、アセテートアニオン、またはクロライドアニオンが2つのマンガンイオンを橋かけした構造が明らかとなった。これらの錯体においてマンガンはいずれも2価であり、CVによって(II,II)->(II,III),(II,III)->(III,III)に対応する2つの可逆的な酸化還元波が観測された。酸化還元電位は配位子上の置換基や、橋かけアニオンの種類に大きく依存し、これらを適当に選択することで酸化還元電位の調節が可能であることを示した。 (2)これら錯体は過酸化水素の不均化による酸素発生反応を触媒することを見い出した。これは天然のマンガン酵素カタラーゼと類似の反応であり、光合成反応中心における酸素発生とも関係が深い。この触媒活性を支配する因子について研究したところ、橋かけアニオンの種類との相関が最も強く、酸化還元電位との明確な相関は認められなかった。このことから、この酸素発生反応においては、マンガン錯体と過酸化水素の間の単純な酸化還元過程だけでなく、橋かけしているアニオンが脱離して過酸化水素が配位する過程が律速段階に含まれることがわかる。さらに、酸素発生の速度論について研究したところ、反応初期において速度が0から徐々に立ち上がっていくことがわかった。このことも、橋かけアニオンが脱離する過程が律速段階に含まれることと一致する。 (3)ポルフィリン結合マンガン錯体の合体に成功した。ポルフィリンのカルボン酸と(1)のマンガン錯体を反応させると、ポルフィリンのカルボン酸部分がマンガンに配位した化合物が得られた。この化合物はFAB-MS,UV,および元素分析によって同定した。現在、X線構造解析を目指して単結晶の合成を試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)