Project/Area Number |
05854057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 圭司 東北大学, 理学部, 助手 (20203458)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シリレン錯体 / フッ素化反応 / 高配位ケイ素 / シリル錯体 |
Research Abstract |
2-(ジメチルアミノメチル)フェニル基(Ar^N基)をシリル基上の置換基として持つ鉄錯体を合成し、ケイ素が5配位になっているか検討を行った。その結果、Fp′SiMe_2Ar^N(Fp′=(eta-C_5Me_5)Fe(CO)_2)では、アミノ基はケイ素に配位しておらず、ケイ素は4配位のままであることが^<29>SiNMRの測定から明らかになった。そこでシリル基上のメチル基をフルオロ基を変え、ケイ素の電子密度を下げることにより5配位ケイ素を含む錯体の合成を試みた。FpSi(H)MeAr^N(1:Fp=(eta-C_5H_5)Fe(CO)_2)とフッ素化剤であるPh_3CPFとを反応させたところ、驚くべきことに、H^-が引き抜かれ、シリレン配位子にアミノ基が分子内配位して安定化された陽イオン性シリレン錯体[Fp=SiMeAr^N]PF_6(2)がほぼ定量的に得られた。一般にケイ素-フッ素結合は非常に安定なため、シリレン配位子のような配位不飽和なケイ素化学種はフッ素源となる化合物と速やかに反応する。2はカチオン性の不飽和ケイ素化合物に対してPF^-_6が対陰イオンとして安定に存在している非常に珍しい例である。また2のアミノ基は溶液中でフラクショナルな挙動を示しており、現在温度可変NMR法による解析を進めている。一方、1を別のフッ素化剤であるPh_3CBF_4を反応させたところ、Si-HがSi-Fに変換され、アミノ基の窒素にBF_3が配位した錯体FpSi(F)(Me)Ar^N・BF_3(3)が生成した。この錯体はアミノ基にBF_3が配位しているため、アミノ基がケイ素に配位した5配位構造をとることができない。現在錯体3を単離すると共に、3のBF_3をアミノ基からはずすことにより5配位ケイ素錯体が得られるのではないかと考え実験を進めている。
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