Project/Area Number |
05854058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 篤 関西学院大学, 理学部, 専任講師 (60239720)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ダイナミクス / ポリバナデ-ト / 分子性酸化物 |
Research Abstract |
[{(eta^3-C_4H_7)_2Rh_2}_2(V_4O_<12>)]^<2->(1)の^1H NMRスペクトルの温度変化を追跡すると共にSpin Saturation Transferの測定を行い、この化合物では有機ロジウム部分がV_4O_<12>環上をピボットしている事を明らかにした。1を^<17>Oでエンリッチした試料を合成し、その^<17>O NMRスペクトルも測定したが、その結果も^1H NMRから得られた結論を支持する物であった。現在、有機ロジウム部分の運動に関わるエネルギーを求めるべく、得られたスペクトルの定量的な解析を行っている。また1は亜燐酸トリエチルとの反応により[{(eta-C_8H_<14>)Rh_2}_2(V_4O_<12>)]^<2->(2)を生成するが、反応溶液の^1H NMRスペクトルを検討した結果、この反応がかなりきれいな反応である事が明らかになった。1中のロジウム上のメタリル基はほぼ定量的にC_8H_<14>に変換される。 2は1とほぼ同じ構造を持っており、1と同様な動的性質を持っていると予想される。2の^1H NMRスペクトルはこの予想を裏打ちする物であった。1から2への交換過程の全貌を明らかにする為には、2の示す動的挙動の機構も明らかにしておかなければならない。それには先ず必要量の試料を簡便に合成する方法を確立する必要がある。反応条件を検討した結果、[(eta-C_8H_<14>)RhCl]_2と[(-n-C_4H_9)_4N]VO_3との反応により2が高収率で、しかも再現性良く得られる事を発見した。^1H NMRスペクトルの温度変化を追跡した結果、2では有機ロジウム部分の運動が1に於けるそれよりも遅い事が判明した。また、^<51>V NMRの結果と合わせて考えると、2では有機ロジウム部分の運動とV_4O_<12>環のコンフォメーション変化が同時に起こっているのではないかと考えられる。この仮説の立証には^<17>O NMRのデータが有用であるが、2のテトラブチルアンモニウム塩は溶解度が低く、スペクトルデータを得るにいたっていない。カチオン交換により溶解度の高い塩を得る事を検討している。
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