遷臨界域の流体の微視的構造に関する分子動力学的研究
Project/Area Number |
05855028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40211833)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 分子動力学 / 流体 / 微視的構造 / 臨界点 / ダイマ・クラスタ形成 / 相変化 / 超臨界 / 水 |
Research Abstract |
流体が示す気相、液相、気液共存状態、超臨界状態など様々な相・状態について、その分子レベルの微視的構造を解明するため、分子動力学法を用いた大規模数値解析を行った。得られた成果は以下のとおりである。 1.液相、気液共存状態、超臨界域の広い範囲をカバーする温度、密度条件を用いて、Caravetta-Clementi(CC)ポテンシャルによる256個の水分子系に対して、大規模かつ系統的な分子動力学数値解析を行った。 2.上記の計算で得られたデータから、水分子のダイマ・クラスタ形成に関する解析を行った。不安定なダイマと安定したダイマを定義し、これらダイマのつながりとしてクラスタを定義した。 3.上記のように得られたダイマ・クラスタについて、その寿命、出現確率、平均サイズ、サイズ出現頻度などを詳細に解析した。この結果、安定なクラスタ及び不安定なクラスタの平均サイズを用いて、遷臨界域における流体の微視的構造の遷移を示すことができた。すなわち、低温においては気液共存域の密度においても安定したクラスタ構造が存在しているが、これは温度の上昇と共に崩壊し、臨界温度以上の温度条件においては、その密度に関係なく、不安定なクラスタ構造のみとなる。また、臨界密度以上の密度においては、その温度にかかわらず、不安定ではあるが大きなクラスタが存在する。 3.現在、水の構造に大きな影響を与えている水素結合について、その挙動を解析中である。既に、上で定義したダイマと比較して非常に寿命が短いこと、水素結合で強く結合した分子対の他の弱い結合による分子が存在してクラスタを構成していることを明らかにした。 4.Lennard-Jones(12-6)ポテンシャルを用いて、単原子流体の微視的構造に関する解析を開始した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)