変位電流法による機能性有機2分子接合膜の分極・電子移動およびその緩和機構
Project/Area Number |
05855040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保田 徹 東京工業大学, 工学部, 助手 (00205139)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | LB膜 / ポリイミド / ヘテロ2分子膜 / 単分子膜 / 電子移動 / IETS / 熱刺激変位電流 / 非弾性トンネル |
Research Abstract |
本研究は、自発分極を持つ分子のへテロ2分子膜及び、電子供与・授与性基を持つ分子の積層2分子膜の熱刺激変位電流スペクトルの測定により、極性2分子膜の分極現象及びその熱緩和過程の研究を行った。また界面分極現象の最小単位である積層2分子膜間の電子移動現象を、光刺激により電極に誘導される変位電流の測定により、2分子層間の電子移動・緩和過程を研究した。 1.自発分極を有する分子のへテロ2分子膜の作製およびその熱刺激変位電流測定 自発分極を持つ分子には、基本的な構造を持つ直鎖系の分子であるアラキン酸(C20)とオクタデシルアミン(ODA)用い、各単分子膜の熱刺激変位電流の測定を行った。この測定により、C20とODA単分子膜では分極方向が反対であること、その熱緩和の状態が異なることなどの、単分子膜の分極現象を明かとした。 さらに、これら2分子のへテロ2分子膜を作製し、その熱刺激変位電流の測定を行なった結果、積層構造の違いによる結果が見られ、分子膜間でのプロトン移動が示唆された。 2.電子供与・授与性2分子積層膜の作製およぴIETS測定による分子接合形成の確認電子供与・授与性2分子積層膜電子素子として、ポルフィリン環を導入したポリイミド(PORPI)を絶縁体である(PI)で挟んだ素子を用いた。そして外界からの刺激の導入として光照射を行ない、液体へリウム温度での素子の微分抵抗を測定した。しかし、光照射による電荷移動、量子準位などの変化を観測するには至らなかった。 また、作製した機能性分子膜の2層積層膜の分子膜間の電子移動検出を、光刺激変位電流測定により行なった。その結果、2分子間の電子移動は確認されたが、その詳細な検討(移動速度,反応過程)には至らなかった。 今後は、2層積層LB膜の電子移動現象を中心に分子膜接合に関する基礎を固め、分子素子応用への知見を得ていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)