形状記憶合金の超弾性効果を用いた免震ダンパーの地震応答シミュレーション
Project/Area Number |
05855065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造工学・地震工学
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 助教授 (90168328)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 超弾性 / 免震ダンパー / 地震の応答解析 / 非線形履歴復元力特性 / 機能性金属 / 橋梁の耐震 |
Research Abstract |
近年各種の免震装置を用いた橋梁の建設や計画が注目を集めている。代表的な物は高減衰積層ゴムを用いた免震支承や、鋼棒を用いた弾塑性ダンパーなどである。これらの免震効果は使用される材料特性に大きく左右され、いかに高機能な材料を開発するかが焦点となっている。本研究では、機能性金属材料の1つである超弾性合金に着目した。この合金は特殊な非線形履歴復元力特性である超弾性特性を持っており、エネルギー吸収能力に優れた材料である。本研究では、その免震ダンパーへの適用を試みるため、地震反応の計算機による数値シミュレーションを行ない、エネルギー吸収能やじん性など基礎的な動特性を明らかにすることを目的とする。超弾性合金は、数十%のひずみからも残留ひずみなしで回復するのが特徴である。低ひずみ領域では通常の金属材料と同様に降伏後剛性が低下するが、その後除荷すると履歴エネルギーを吸収した後弾性挙動に戻る。本研究では、橋脚を1自由度系としてモデル化し、通常のバイリニア型復元力特性を示すダンパーを装着して桁を支えた場合と、超弾性型復元力特性を示すダンパーを装着して桁を支えた場合と、ダンパーを装着しなかった場合の3通りについて時刻歴地震応答解析を行った。その結果、超弾性ダンパーを装着した場合の桁の応答加速度は、ダンパーをつけない場合の約20%に抑えられた。これはバイリニア型弾塑性ダンパーの17%と比較しても、遜色のない値である。また、弾塑性ダンパーと比較して、超弾性ダンパーの履歴エネルギー吸収量は2/3であった。加速度応答や履歴吸収エネルギー量では弾塑性ダンパーに劣るが、残留変形という問題では超弾性ダンパーが優位であった。弾塑性ダンパーでは約4.5cmの残留変形が生じたが、超弾性ダンパーではほぼ0であった。永久変形が問題になる場合や、残留変形を0にしたいという要求がある場合には有効ではないかと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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