Project/Area Number |
05855094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 化学気相析出法 / CaCO_3 / 炭酸ガス分圧 / 光透過率 / 薄膜 / 屈折率 / 結晶配向 / beta-nケトン金属錯体 |
Research Abstract |
カルサイト(CaCO_3)は、その大きな光学的異方性により偏光子などの光学材料に用いられているが、バルク単結晶に関する研究がほとんどで、薄膜の作製やその光学的性質に関する研究はほとんど行われていない。本研究では、化学気相析出(CVD)法によるカルサイト膜の合成を試み、結晶配向性の有無や、得られた膜の光学的性質を調べた。 原料として、Caのbeta-金属錯体(Ca(C_<11>H_<19>O_2)_2:Ca(DPM)_2)を用いた。180〜240℃に加熱しガス化した原料を、Arをキャリヤ-ガスに用いて炉内に導入した。また、別経路で10%CO_2-90%O_22混合ガスを導入した。全ガス圧力を10Torrとした。合成時のCO_2分圧は0.8Torrであった。基板には、透明石英ガラスとサファイア(01)を用いた。表面段差圧を用いて膜圧を測定した。膜の結晶構造をX線回折法で調べ、可紫外分光光度形を用いて光透過率を測定した。 Ca(DPM)_2)のガス化温度が200℃以上で、膜の析出が認められた。成膜速度は、Ca(DPM)_2)の温度が230℃のとき9nm/min、240℃で24nm/minであった。基板温度が500〜550℃では、無配向または、(104)が基板面に垂直に配向したCaCO_3膜が得られた。600℃では、CaOとCaCO_3の二相となった。この条件は、CO_2分圧0.8TorrでCaCO_3の炭酸解離平衡条件とほぼ一致した。石英基板上に作製した膜は白濁しており、この原因として石英ガラス基板へのCaの拡散や反応が考えられた。サファイア基板上に550℃で作製された厚さ0.52mumの膜は、800〜2500nmの波長範囲でほぼ100%の光透過率を示した。また、この波長範囲における屈折率は約1.59で、CaCO_3単結晶の屈折率の平均1.57とほぼ一致した。
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